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Empowerment

Microsoft Student Partner応募フォームの記入方法

2020-01-19 15:00

本記事では、Microsoft Student Partner (MSP) プログラムの応募フォーム記入方法について解説します。

MSPはマイクロソフト技術を用いて他の学生の支援や技術開発を行っている技術コミュニティリーダーを表彰するプログラムで、四半期に1回、応募を受け付けております。大きく、① コミュニティリーダーとしての素質、② 発信力、③ 技術力 の3点が評価基準になります。

応募フォーム記入でつまづいた方はぜひこちらの記事を参考にしてください!

※MSPプログラムの概要及びメリットは一番最後に簡単にまとめていますが、このブログ記事の目的は、既に応募を検討されている方向けの解説ですので、詳細説明は割愛します。

目次

  1. 応募条件および注意
  2. 個人情報記入セクション
  3. 「書いたサンプル」セクション (コミュニティリーダーとしての素質)
  4. 「追加情報」セクション (発信力)
  5. 「技術スキル」セクション (技術力)
  6. 留意点
  7. MSPになるメリット:年間100万円相当の製品を無償で利用可
  8. MSPを目指す方向けの準備リソース

1. 応募条件及び注意

応募条件

  • 提出時点で 16 歳以上である
  • 認可教育機関にフルタイムの学生として在籍している
  • 有効な身分証明書を保有している

注意

  • 高等専門学校生は応募可能。
  • 高校生は応募不可能。
  • 英語での応募になります。(言語面は必要であればメンタリングします)

2. 個人情報記入セクション

以下の3セクションは個人情報の記入するだけなので、詳細解説は飛ばします。

  • プライバシーと使用条件
  • 個人情報
  • 学校情報

3.「書いたサンプル」セクション

こちらは、コミュニティリーダーとしての素質を見させていただくセクションになります。Inspire, Teach, Promoteの3項目で構成されています。

MSP application2

Inspire

ここでは「テクノロジーが好きな理由とどうして他の学生の学びや成長を支援したいのか」が問われています。

What excites you about technology and why you want to help other students explore and learn?

以下のようなエピソードを通して、テクノロジーを扱っていてどれくらいわくわくするのか、他の学生の支援を通して何を成し遂げたいのかをストーリー性をもって語っていただくイメージです。

  • テクノロジーに目覚めたきっかけ
  • コードを書いていてやりがいがあると感じる瞬間
  • 今まで開発した製品の中でぜひ紹介したいもの
  • 技術者として乗り越えてきた壁

どのように学生支援をしていくのかの具体的な手法は、次のセクションで問われておりますので、ここでは、「どうしてコミュニティリーダーになるモチベーションがあるのか」についてフォーカスしてください。

Teach

ここでは「その技術コンセプトについて聞いたことのない人に説明するときにどう工夫するか」が問われています。

How would you take a technical concept and teach it to a friend or peer that has never heard of it?

質問の中に指定されていないので、一つ目の観点は手法ですかね。口頭なのか、オンラインリソースなのか、その組み合わせなのか。

Qiitaなどの技術ブログに記事を投稿していたり、GitHubレポを管理していたり、YouTubeの解説動画を撮影していたりしている方は、その時にこだわっているポイントを抽象化して語り、自分の取り組みを具体例と用いて説得性を高める形が書きやすいのではないでしょうか。

他の着眼点としては、一回の説明でいいのか、イベントやコミュニティへの誘導や他のエキスパートへの紹介などのフォローアップが必要なのか、がありそうですね。

Promote

ここでは、「所属している学校でイベントを主催することになった場合、どのように集客をするか」が問われています。

If you were hosting an event at your school, how would you get students to attend?

まずは、集客するチャンネルを理解しているかが問われています。他の学生がチェックしているサイトはどこで、どこに情報を載せれば参加者が集まり、その際にどのような工夫をすれば効果的なのでしょうか。

そして、このイベントに参加することで参加者が得られる価値をどう訴求していくのかもポイントです。学生のどのニーズに訴えかけるのか、どうイベントの価値を高めるのか。イベントの中身は変えられないかもしれませんが、他の団体に声をかける、インフルエンサーに声をかけるなど工夫はたくさんできると思います。

ハッカソン、トークセッション、ワークショップなど、どのようなイベントなのかによっても変わってくるかもしれませんね。 過去に実際に運営したイベントの時の具体的な施策や過去の失敗を元に次はどうしていきたいかなどがあると説得力が上がると思います。

回答フォーマットの選択:文か動画か

3つの質問のうち、最低一つは2分以内の動画を撮影して回答する必要があります。

次の質問にお答えください。動画または小論文を添えてください。少なくとも 1 本の動画 (2 分以内) を提供していただく必要があります。あなたの声がはっきりと聞こえるように、スマートフォンや Web カメラで撮影してください。動画への URL を記載してください

なぜ動画なのか

日本では稀ですが、グローバルでは、文章だけでは伝わらないやる気やテクノロジー愛を見るために応募者に動画の提出をお願いするケースが増えてきています。

文章を書く時のコツ

問われている内容に対する自分なりの答えを1行でまとめてから、それが顕著に表れている具体的なエピソードを通して語ることで読み手を説得しに行く、というのがよく使われる手法です。 こちらのエピソードは、実際に合ったものでも、架空のものでも大丈夫です。

この応募フォームをレビューするのは日本人だけではなく、インドやアメリカの学生の応募フォームとも相対的にみられるので、上記のグローバルスタンダードに合わせるのがおすすめです。

参考情報

技術カンファレンスで登壇するときに提出するCall for Proposal (CFP)を書く時のポイントを紹介するワークショップを開催した時のワークショップに関するこちらのTW Momentにまとまっているので、ご参照ください。

こちらの動画も参考になるかと:📽 Your Perfect Tech Talk with Saron Yitbarek

動画撮影時のコツ

動画を撮影するときは、プロフェッショナルな機材を準備する必要はありません。 ここで見たいのは、皆さんが自身の想いを自分の言葉で語っている姿です。文章だけでは伝わらないモチベーションを表情、ジェスチャー、抑揚などで表現してみてください。

以下は、私が動画作成時に気を付けている点ですが、ここまでやらなくても大丈夫です。(笑)

  • 表情:真摯にまっすぐカメラを見る、夢見がちに斜め上を見る、誰かに話しかけるように横を見る、などを使い分ける
  • ジェスチャー:理由は3つありますと言いながら3本指を立ててみる、右手を使って一つの話題を説明してから左手を使って別の話題を説明することで話題の切り替えを明確にする、など
  • 抑揚:想いが強ければ自然と熱がこもるはずですが、状況説明は静かめに、どうして自分が選考されるべきかを述べるときは盛り上げる、などを意識するだけでも印象が変わってきます

サンプル

参考まで、私が大学3年生の時にSchwarzman Scholars応募フォームの一部として撮影した動画です。世界中3,000人の応募の中から最終選考の200人に選定されました。

Embedded content: https://youtu.be/hKX9N-eh7-U

4. 「追加情報」セクション

こちらは、技術力を見るセクションです。9つのプラットフォーム全てのアカウントを持っている必要はないですが、大体、以下4つのカテゴリに分類できると思うのですが、最初の3つのカテゴリの中から最低1つずつアカウントを共有してくれると、評価がスムーズに進みます。

【コードサンプル系】

  • a GitHub repo

GitHubのアカウントはほぼマストだと思います。

【コミュニティへの貢献系】

  • 個人技術ブログ (日本語OK)
  • Stack Overflow profile
  • 作成した動画(YouTubeなど)
  • 技術ブログへの投稿(Qiitaなど)

実際にコミュニティに向けて発信している例があると良いです。

【発信系】

  • Twitter Handler
  • Instagram account
  • LinkedIn profile

上記3メディアはソーシャルメディアを用いた発信力が問われます。技術関連の投稿や記事をシェアしてたり、技術に関する自分の考えを述べていたりしていると良いかもしれません。

※ インスタグラムが入っているのは、USの一部のコミュニティでインスタグラムを有効活用しているTechコミュニティが出てきているからです。

【課外活動系】

  • 履歴書(オンラインにアップロードしてあるもの)

こちらは+αと考えて下さい。ただ、上記3セッションでアピールできなかったボランティアなどの活動があると履歴書に記載するのも手だと思います。

5.「技術スキル」セクション

MSP application

Which of the following technology interest you?

  • Artificial Intelligence
  • Blockchain
  • Data Science
  • DevOps
  • Gaming
  • Internet of Things
  • Mixed Reality
  • Mobile development
  • Networking
  • Open Source
  • Security
  • Web development

もちろん、どの分野からの応募でも対等に評価します。 AI、Open Sourceあたりは特にホットですね。

Is there anything else you would like to share with us?

ボランティアなどの他にアピールしたい活動がある場合、履歴書に記載してあっぷろする以外に、こちらに記載する方法もあります。 どのようにMSPのプログラムを知ってインスパイアされたかなどを書いてもいいかもしれません。

6. 留意点

記入内容の保存

申込内容は自動的に保存されます。いつでも閉じて、後で申し込みを続けることができます。

フォーム記入時に求められるマインドセット

審査員は、応募フォームの各記入事項において以下のマインドセットが染み出しているかどうかも大事にします。

  • 情熱、コミュニティ精神、探究心、インパクト欲求
  • 専門的な技術領域
  • マイクロソフトの製品とサービスに関する知識とスキル
  • 新しいテクノロジーへの好奇心
  • 社会をより良くする

こちらは、「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」というマイクロソフトの企業ミッションからきています。 応募時点ですべてを兼ね備えている必要はないので、一緒に成長していきましょう!

応募締め切り

次の応募締め切りは、① 2020 年 2 月 29 日と、② 2020 年 5 月 31 日です。 選別された候補者には、それぞれの開始日のおおよそ 1 週間前にメールで通知されます。

このガイドに縛られないこと!

上記のセクション記載ガイドは、あくまでマイクロソフトの開発者リレーション担当としての私の視点なので、そちらを参考にしつつも、それらに縛られずに、自由に自分の想いを語ってください。 皆さんが実践していて、私が思いつきもしない様々な工夫がたくさんあるはずです!

7. MSPになるメリット3点

  1. メンタリングを受けるチャンス!

マイクロソフト社員や、マイクロソフト社員ではないがマイクロソフト製品におけるその道の匠(MVPなど)がメンターにつくので、グローバル知識へのアクセスが可能

2. 最新技術を社会で実際に使うチャンス!

クラウドサービス「Microsoft Azure」毎月16,000円、開発者向けツール「Visual Studio Enterprise」新規770,000円など年間100万円相当の製品/サービスを無償で利用可能

3. 他国の優秀なエンジニアと意見交換するチャンス!

アジアなど世界中のStudent Partnersとオンライン(定例コール)やオフライン(MSP Summitやハッカソン) で意見交換が可能

無償で利用可能な年間100万円相当の製品/サービス一覧はこちら

  • クラウドサービス「Microsoft Azure」の利用料、毎月16,000円相当
  • 統合オフィスサービス「Office 365」年間13,000円相当
  • スクリーンキャプチャとビデオ編集ソフト「TechSmith Snagit and Camtasia」32,000円相当
  • 開発者向けツール「Visual Studio Enterprise」のサブスクリプション、新規770,000円相当
  • マイクロソフトが主催するイベントへの申し込みサポート
  • マイクロソフトのクラウドアドボケイトや社外のプロフェッショナルである Microsoft Valuable Professional (MVP) からのメンタリング
  • LinkedInのプロフィールに掲載できる Student Partner Milestone badges の付与

8. MSPを目指す方向けの準備リソース

マイクロソフトの技術についてもっと知りたい方

ここ にマイクロソフト技術の基礎を身に着けるためのリソース全部まとまっています

  • Hack with Azure
    • マイクロソフトが提供している学生向けのリソースのまとめ
  • Azure for Students Starter
    • 学生がクラウドでの開発に必要な Azure 製品を無料で利用するためのガイドライン
  • Azure for Students Tutorial
    • Azure for Studentsアカウントを最大限活用するためのTips
  • Azure Lab Services
    • Azureを用いたハンズオン環境を整える方法。学校単位なので先生に言ってみてください

コミュニティリーダーとは何かについて知りたい方

  • DevRelConという素晴らしいカンファレンスシリーズがあります!
    • 直近ですと2/28-29のDevRelCon Tokyoに来ていただくのが良いと思います。

英語ですが、以下のリソースも参考になります:

ただ、コミュニティに関しては、本を読むよりは、実際に参加してメンバーになるのが一番成長が早い方法だと思います!

【ご案内】応募フォームレビュー

やる気はあるが不安のある方は、2020 年 5 月 31 日〆切分までの応募フォームは、言語面やストーリー性などレビューしますので、TWハンドル(@kristinayasuda)までDMください!

皆さまのご応募を楽しみに致しております!