最近、日本の友人・知り合いと話すと、未来への希望がない、という方がかなり多いです。。 今日、「どうしてなのか、どうすればいいのか」、大きな議論になったので、まとめてみました。
注:事実だけ載せ、分析・判断は避けるようにしています。それでも個人的な見解が少し混じっているように感じるかもしれませんが、意図しておりません。
注:私は統計学者でもなく、公開資料のみを使用しているので、数値自体が最新ではない場合があるかもしれませんが、大きなトレンドは変わっていないと思います。
生活が豊かになっていく実感が不足
仮説:日本が経済的に豊かなはずなのに、一般市民の生活が豊かになっている実感がない
日本全体の名目GDPは確かに世界3位。
しかし、一人当たりの名目GDPで見てみると、世界22位。
出典:IMF
国全体のGDPが世界4位のドイツの一人当たりのGDPは日本以上。 国全体のGDPが6,7位のフランス・イギリスの一人当たりのGDPは日本より少し低いくらい。
まとめると、日本の国全体の裕福度は、ドイツ・フランス・イギリスの1.4倍以上なのに、一人当たりの裕福度は、ドイツ・フランス・イギリスより低い・同じくらいということになる。。。
給料低め
仮説:日本の給料は世界的に低い
日本の平均賃金(ドル建て)の30年間の上昇率は4.4%。OECD平均上昇率は33.1%。
つまり、1990年の給料を1とすると、2020年の各国の給料は、
- 米国 1.477
- オーストラリア 1.384
- OECD 1.331 ‐ イギリス 1.443 ‐ 韓国 1.922 ‐ 日本 1.044 ‐ イタリア 0.971
出典:OECD
もちろん、物価上昇率とセットで見なければいけないわけで、 前年度の物価を1とすると、翌年の物価は、(2017年度なのでデータが古いですが)
- 米国 1.0244
- オーストラリア 1.0196
- OECD 1.0236 ‐ イギリス 1.0248 ‐ 韓国 1.0148 ‐ 日本 1.0098 ‐ イタリア 0.971
出典:IMF
他の国と比べて、日本の給料の上昇は物価の上昇を相対的に低め。
若者が受ける恩恵と負担のミスマッチ
仮説:現在の高齢層は、過去の負担(当時支払った税金)と見合わない恩恵(国がカバーしている医療費)を受けており、労働者層は、受ける恩恵(高齢層より少ない医療費の出費)とは見合わない負担(保険料を含む現在の高い税率)をしている
仮説を完璧に検証できるグラフを見つけてしまった。。
出典:厚生労働省
保険料の大半は20-69歳が負担しており、国の医療費の出費の大半は70歳以上による利用。
低い未来志向の出費
仮説:高い負担をしており、日本の将来を担う若者への出費(教育費など)が少ない。
日本の国家予算に占める社会保障関係費の割合は37.6%。 日本の国家予算に占める文教科振費は2.2%。
出典:財務省
社会保障関係費(医療費)が、主に高齢者が恩恵を受ける、原点思考な歳出項目であり、文教科振費(教育費)が主に若者が恩恵を受ける、未来志向な歳出項目であれば、日本は、原点思考に未来志向よりも、約17倍の額のお金を使っていることになる。
シルバー民主主義
仮説:前述のミスマッチの背景にあるのは、高齢者が強い政治力を持っているからである。
60-79歳の投票率が見事に7割以上。特に、
- 70歳~74歳(一般・低所得者):74.13%
- 75歳以上:70.26%
日本の高齢者、元気。
出典:NHK
ちなみに、医療費の自己負担率は
- 70歳~74歳(一般・低所得者):2割負担
- 75歳以上(一般・低所得者):1割負担
出典:厚労省
日本の政策は高齢者が大きな影響力を持つ。つまり、シルバー民主主義。
ちなみに、日本の医療にタダ乗りする中国人。。