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「世界はきっと、ひとつになれる」安倍総理主催ディナーのお話

2019-09-06 22:00

安倍総理主催TICAD7晩餐会

8/28-29に、安倍総理主催でアフリカ各国元首が出席するアフリカ開発会議公式晩餐会でキモノショーをやらせていただきましたので、番外編としてブログにまとめます。 各国をイメージしたKIMONOを着たモデルたちが手を繋ぎ、「世界はきっと、ひとつになれる」ということを発信していくKIMONOプロジェクトの一環で、私は初日はジンバブエ、二日目はケニアのキモノをお披露目致しました。

◆ホストカメラ撮影(晩さん会) 190902 0002

TICAD7参加国をイメージ 独創的着物で彩り

どのような社会課題に取り組むにしても、すべては自分ごとにすることから始まるので、実際に自国の文化を表現したり、他国の文化を経験したりする文化を通じた交流は途上国支援に限らず、国際協力における大事な一歩だと思っています。 日本ではあまり聞きませんが、海外では「広報文化外交」が当たり前です。昨年モスクワでUNESCOの会議に登壇した際、正式な外交がかなり厳しかった冷戦時代に、米露の関係が科学者なども含む文化的な交流によって支えられていた事実を学びました。 キモノショーに参加することでアフリカの国々と日本間の相互理解が少しでも進むのであれば、大企業に勤めながらもキモノショーに参加することは一種の社会貢献の形になるのではないでしょうか。

◆ホストカメラ撮影(晩さん会) 190902 0006

(左から2人目が私)

世界をキモノでつなぐKIMONOプロジェクト

2014年にスタートしたKIMONOプロジェクトは、2020年オリンピックを目指し、各国の文化・歴史・自然をテーマに描いた206か国(国・地域)オリジナルKIMONO(振袖・帯)を、日本を代表する着物作家の方々と共に全国で制作を進めています。 それらのKIMONOを着たモデルたちが手を繋ぎ「世界はきっと、ひとつになれる」ことを発信していっています。

私が今回お披露目させていただいたキモノについて少し解説したいと思います。

こちらがケニアのキモノです

Kenya full

Front

Kenya 2

Back

【KIMONO】米沢織 新田源太郎 アフリカの雄大な自然と動物たちの楽園を描いた作品は、米沢織の将来を担う作者によって製作されました。100色近い色糸を用いて、格子やボカシ織の中に「すくい」を用いて織り上げられた動物たちは生命の美しさを表現しています。手織による作品に加え、作者はパッチワークの技法も取り入れケニアの国旗の色を作品へと取り入れました。まさに、米沢織と新田の技術と意匠の枠を凝らした作品です

【OBI】西陣 渡文 西陣の渡文が「太箔」の技術を用い、手織の技法でこれまでにないデザインの配置に挑戦しました。ケニアの民族文様と、大木と動物のシルエットを組み合わせ、虹色に輝く美しさに目を奪われる作品です。

【スポンサー 九電工】

左右の袖の色が違うこと、帯を結んだときに立体的に浮かび上がるバオバブの木が本当に素敵でした。

こちらがジンバブエのキモノです

Zimbabwe 1

Front

zimbabwe 2

Back

【KIMONO】吉川染匠(京都) 空に渦巻く赤い雲がアフリカの自然の力強さを表し、国旗に使われている色を基調色として、バオバブの木とグロリオサの花を背景や主題に用いながら、大自然の中で力強く生きる動物たちを主役に描いた作品。 赤や白で全体に切り込むようにデザインされたサバンナの風が印象的で、作品の中に大自然の緊張感をもたらしている。 引き染のボカシで背景の風と太陽を印象的に、そして挿し友禅で動物や花を生き生きと染め上げました。

【OBI】おび弘(京都) 豊富な埋蔵量を誇る白金をテーマとし、中央部に国家グロリオサを、国旗の配色を、白金錯体にバランシングのロックのイメージを重ね合わせ、織り上げました。

左袖に描かれているライオンがとてもパワフルで守護神のようでした。

各国のキモノ一覧はこちら

TICADとは

TICADとは,Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)の略であり,アフリカの開発をテーマとする国際会議です。冷戦終結後アフリカ支援に対する先進国の関心が低下した際に、重要性を論じて日本が立ち上げました。(出展:外務省のウェブサイト)

TICADの特徴

  • アフリカ諸国のみならず、開発に携わる国際機関、パートナー諸国、アジア諸国、民間企業、市民社会も参加するマルチの枠組み
  • アフリカ開発におけるアフリカ諸国の「オーナーシップ」と、国際社会による「パートナーシップ」を重要視
  • 表明された日本や他の参加者の取組について、その実施状況を閣僚級会合で確認するなど、フォローアップのシステムも構築

ジンバブエとケニアの紹介

せっかくなので私がキモノを着たケニアとジンバブエについてご紹介します。

ケニア

  • 日本が一番多く輸入するものはバラ
  • マラソンが世界トップレベルで、桜美林大学陸上競技部駅伝チームの監督はケニア人!
  • ケニアの発電容量の4分の1は日本の技術を活用した地熱発電
  • 今回のお着物にもサバンナの動物たちが描かれていますが、ケニアには 59 カ所の国立公園、国立保護区、 動物保護区があります。中でもタンザニアとの国境に位置するマサイマラ国立保護区は、ケニアでは野生動物が最も多く、総面積は大阪府に匹敵します。またナイロビの南にあるアンポセリ国立公園は、アーネスト・ヘミング ウェイが「キリマンジャロの雪」を執筆した場所として有名ですね。

ジンバブエ

  • おやつは芋虫(英名:Mopane worm)。芋虫の砂糖と醤油の佃煮風も好き。

  • 自然がとても豊かで、ビクトリアの滝、グレート・ジンバブエ遺跡、ジンバブエ・ロックが観光資源となっています。特にビクトリアの滝は、北米のナイアガラの滝, 南米のイグアスの滝と 並ぶ世界三大瀑布の一 つです。

  • アフリカ各国に関するちょっといい話・エピソード集はこちら

  • 各国トピックスは[こちら(https://www.mofa.go.jp/mofaj/af/af1/page23_002939.html)

追加リソース

  • 日本のアフリカ支援に関する動画はこちら
  • 昨年の報告書はこちら

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アフリカ諸国を繋ぐ

キモノを着ていて、2つ強く思ったことがあります。

文化は希望の光

ケニアとジンバブエのキモノを着て、各国の元首・外務大臣に会う機会をいただいたとき、この2か国について特に深く知りたくなるわけです。

そこで「ジンバブエ」とググると、「前月比796億%のインフレを経験したジンバブエで悲劇再来」とか「限界に達したジンバブエの経済危機」とかそれはそれは悲観的なニュースがでてくるわけです。

「ケニア」について調べると、「ケニア、南アフリカ及びOAPIとの包括的な協力の強化を進めていきます 」「キリンと共に朝食が食べられるケニアの超人気ホテルに泊まってみた」と比較的ポジティブですが、それでも国際開発・観光が主要収入源であることを匂わせる記事が出てきます。

大学生の時にヨーロッパにアフリカから移住する移民に関してリサーチしていたので少しわかるのですが、アフリカの国々の多くは、賄賂・貧困・人権侵害・戦争などたくさんの問題を抱えています。 そんな中でもキモノに表現された各国の魅力を知ると、希望が見えてくる気がしました。

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文化関連の仕事はAIには奪われない

今回、ヘアメイク、着付けをプロの方にやっていただいたのですが、各キモノに合わせてヘアを決め、各モデルとキモノを見ながら最適なメイクを選ぶ姿を見て、「これはAIには到底無理だな」と思いました。

キモノを着た女性の写真を大量にAIに食べさせて、モデルとその日に着るキモノの写真をアップロードするとメイク・ヘアーをリコメンドしてくれるサービスは可能かもしれません。 担当者がホロレンズをつけて拡張現実の中の完成図と見比べながらヘアメイクや帯の着付けをする製品も作れるかもしれません。

でも、54人のヘアメイクと着付けを数時間の間に終わらせないといけないとき、そのようなサービスは現時点ではコスト的に見合わない可能性が高い。 そして、何よりも、その場にいると感じるのが、キモノという伝統的なものの周りにはAIもホロレンズもあってほしくない、(私がこれらをどれくらい好きだったとしても)。キモノの世界を知り尽くしている人の手のあたたかさに身をゆだねたい、と私は思いました。

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ということでブログ番外編でした!首相主催晩さん会の他のお写真はこちらから

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次回は、アナウンス通り「アイデンティティに興味を持つきっかけ」について書きます。 自分にまつわる医療データを一か所に集められずに最適な手術判断ができなかったり、途上国での滞在経験を通して現地の方の苦労を知っていたり、アイデンティティが機能しないサービスを設計して失敗した経験があったりなど、人それぞれですが、やはり、個人的な経験がきっかけになることが多いです。

本当に経験がないとアイデンティティに興味を持てないのでしょうか。

PS モデルさんがとても素敵でした!

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