11/17に開催されたBlockchainJam2019のポイント解説です。
BlockchainJam2019とは
「これからの未来を創る人材」に「ブロックチェーン」の 可能性を伝える
というテーマの
ブロックチェーンの最新技術を開発、研究する「エンジニア向け」その技術を生かしてビジネスを生む「ビジネスデベロッパー向け」の2本の柱
のイベントです。 ↑ HPより
気付き
- 予想以上にスピーカーの質が高かった
- いくつか聞いてジム行く予定だったのにほぼ最後まで残ってしまった件… 思ったより知り合いがいたというファクトもありますが!
- 安田講堂でブロックチェーンのイベントができるんだ(=それくらいブロックチェーンに東大が興味あるのね?)
Caveat
以下、完全に私の興味を中心におまとめしております。(つまりは、興味のないセッションがバレてるw)
スマートコントラクトの実社会適用と得られたインサイトの共有
Cryptoeconomics Lab - Co-founder,COO 落合 渉悟 氏
HPからのトーク概要↓
「スマートコントラクトはビジネスと相性が悪い」という意見を聞いたことはありませんか? Layer2技術の研究で知られるCELから落合がスマートコントラクトの実社会適用についてお話します。 2020年におけるエンタープライズ案件の傾向や、ついつい陥りがちなアンチパターンなどを取り扱いながら、 みなさまのビジネスにスマートコントラクトをどのように取りいればいいのかの参考例をご提案いたします。 ※お話はNDA上発表可能な話で、落合さんのラーニングに基づくもの
導入
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プライベートチェーンは大企業が強いからパブリックチェーンにこだわってきた ↑ これなるほどなと思いました。
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セキュリティが一番大事。セキュリティを気にせずに規模が大ききくなったとしても、絶対にハッキングされて影響が出るから
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PlasmaとはEthereumを使って情報を守れるサーバ
スマコラユースケース
- 電力
- 日本の太陽光発電は南に集中し、供給過剰 ↑ これ知りませんでした!
- 電力システム=電気取引所
- ポイント
- ログの真正性
- 車のワイパーのデータのから、局所的にどこで雨が降っているかわかる! ↑ データって本当に使い方次第ですね。自動車企業が一番正確な天気予報を出せるようになる日も近い?
- お弁当屋さんのYTライブ配信で込み具合・残りとかを可視化したら回転率上がって値段下がった
- 誰がどこにいるかわかると危ない
- ログの真正性
- ゲーム
- Athereum: ファイナリティが上がった(DevCon5で発表)
- メガ銀行
- RBC (Royal Bank of Canada):Cryptoの取引所をもった
- Cryptoと銀行の融合
- Decentralized Exchangeとつなぐ希望も多い
- RBC (Royal Bank of Canada):Cryptoの取引所をもった
Layer1のお話
- Layer 1は担保効率がポイント
- 不動産 - DeFi:お金を担保にしているのにそれ以下の金額しか借りれない矛盾 ↑ 本当にその通り
- スマコンでVC - LAO:Risk limited autonomous organization ↑ 初耳!面白い! - 投票結果に反対だったらお金を引き出せる - Delaware法に準拠している。日本ではできない。法務局のAPIがないから ↑ ここでも出ました!法律面のLimitation
反論:Hyperledgerでできる?
- Web3:インダストリーがプロトコルにのってくる
- <>Web2:手にあるデバイスにアプリが入っている
クリプトと従来の会計との交差点~クリプト会計最前線~
公認会計士 / CryptoGain - CEO / Quantum Accounting 株式会社 - 取締役 木村 兼作 氏
HPからのトーク概要↓
<クリプトに関する話題のトピックを会計・ファイナンスの観点から紹介> ・平成31年度税制改正のクリプトに対する影響を簡単に復習 ・監査現場の最前線から:バーチャルな資産をどう監査するか ・世界で話題のビットコイン価格評価モデルの紹介 ・リスクを考慮した上で収益性を評価するSharpe Ratioの紹介
Speaker Background
• 公認会計士10年ちょい • クリプトと会計の交差点 木村さんは前から気になっており、正直、彼の話を聞きに来たようなものでした
税金
- 法人のクリプト税金がやばいことに
- 実現利益-確定(課税)。未実現利益-未確定(含み益)
- 法人の未実現利益も課税されることに
Audit(監査)
- 会社法:計算書類作成義務
- 大会社(上場会社、負債200億円以上)+ 取引所(資金決済法によって)必ず監査を受けなくてはいけない
- 架空資産 != 仮想資産
- Block Explorerをつかえばいい?
- 会社が本当にその秘密鍵をもっているかがわからない。以下、確認方法↓
- 実際に送金させる
- OR 秘密鍵を用いた電子署名の共有
Finance(金融)
- Stock to Flow モデル
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価値評価モデル = 資産の価値を計算するモデル
- モデルの価格とBitcoinの価格がきれいに連動
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在庫と新規供給量の割合:低いと希少性高い
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金のS2Fと時価総額
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Bitcoinはきれいに並ぶ
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エクセルで再現可能
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リアルタイムで更新してくれているサイト有
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Sharp Ratio:1960年ファンドマネージャーの成績評価にも使われる
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Return + 価格変動
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リスクに見合ったリターン
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↑ 本当かなあPortfolio Analysis:リターンではSAPよりも日経よりもBitcoinに勝つのはむずかしい
日本におけるベンチャーエコシステムとSTOによるソリューション
CO.NECT 東京大学ブロックチェーン学生起業家支援プログラム 第2回修了生 / 中央大学 / 株式会社日本クラウドキャピタル Product Manager 中村 丞 氏
HPからのトーク概要↓
海外と比べた際の日本におけるベンチャーエコシステムの課題感となぜSecurity Token Offeringがその解決策になりうるのかについてお話しします。 また東大ブロックチェーンイノベーション寄付講座の第2回学生起業家支援プログラムにて実際に作成したER1400ベースのSecurity Token 発行のプラットフォームのデモをお見せしながら、今回実際に使用したアーキテクチャーや規格のメソッド等の技術的な面に関しても言及します。
STOの法規制
- ERC2400がSecurity Tokenの特徴
- メタデータの付与・書き換えを行うことができる
#STOはまだまだグレーゾーンでBlockchain使う意味なんだっけというのが少しリサーチしてみていまの個人的な見解。特に日本では、セキュリティトークン=証券(ほぼ)という法律が来年4月から施工されるので
Tezos とオンチェーン・ガバナンス - "Kyoto amendment" に向けて
Tezos Japan - Scientific director / DaiLambda, Inc. - CEO古瀬 淳 氏
Tezosブロックチェーン。その特徴の一つとして、新技術をプロトコルに素早く取り込み陳腐化を防ぐオンチェーン・ガバナンスがある。先日、第2回目のプロトコル更新 Babylon がコミュニティ投票により可決導入され、分散合意アルゴリズムやスマートコントラクト用VM命令セットが強化された。このオンチェーン・ガバナンスによってこれから Tezos はどのように進化していくのか、またオンチェーン・ガバナンスの実施によって見えてきたものは何か、一コア開発者の視点から紹介します。
ダイラムダ株式会社 紹介
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エコシステム開発:SCaml開発
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Plebiaストレージサブシステム(Merkel Tree利用)
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Proof of Stake:LPoS
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誰でもベーキング(ブロック形成)できる
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各ブロックごとに生成者と裏書人をランダムに選出
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特殊なハードが要らないので手数料が高騰しない
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セキュリティ:形式検証
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○ SWテストは気休め。数理的に証明
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型システム、モデル検査、定理証明
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すべての部品にノード実装、コントラクト実行器、コンパイラ、各コントラクトの安全性
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関数型言語(OCaml)を開発中
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オンチェーン・ガバナンス (Tezosの特徴)
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自己修正投票による破壊的なハードフォークを防ぐ
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プロトコル変更をコードとして提案
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自動的にP2P配布
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コンセプト:プロトコルを開発者からステークホルダーへ
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ハードフォークしていかないわけではないむしろ積極的にしていく
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HFの2つの意味
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技術的にフォーク
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コミュニティのハードフォーク(こっちをふせぎながら、上記HF)
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大体90日で1週
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Babylon
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合意アルゴリズムアップグレード
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スマコラ強化
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Gas limit緩和
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スマコラVM命令強化
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コードクリーンアップ目的のアップグレード
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Delphi
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匿名化技術zk-SNARKsのスマコラへの導入
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プログラムブルステーキング
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投票システムの改良
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新ストレージステム
ユースケース
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STO PFとして採用されている
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Elevated Returns and Sevuritize(10億USD)
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BTG and Dalma Capital(10億USD)
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tZero and Alliance Investments(6億USD)
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穀物 Distribution
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Mobility:CHORUS Mobility
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自動運転車のための支払いシステム:優先交通権取引
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Digital Card Collecting Game:Coarse
#Tezosについてはあまり知らなかったので、かなりお勉強になったセッションでした
「ゲームを遊ぶことが価値になる世界、Play to Asset」を目指す博報堂DYメディアパートナーズの戦略
株式会社博報堂DYメディアパートナーズ 髙橋 信行 氏
ビジネスイノベーション局 dApps事業推進担当 HPからのトーク概要↓
博報堂DYメディアパートナーズは「ゲームを遊ぶことが価値になる世界、Play to Asset」をミッションとした、プロダクト開発チーム「PlayAsset」を設立しました。そして、dAppsゲームを普及させるためのプロダクト開発を日々、熱量を持って取り組んでいます。本セッションでは、博報堂DYメディアパートナーズが考えるdAppsゲームの課題感と開発したプロダクト概要をご説明させていただきます。
ブロックチェーンがゲームに当てはまるケース
- 伝説の○○
- 投資した資産の再投資
- 複数ゲームで使用可能な共通アイテム生成
ポテンシャルがある理由
- デジタル2次流通市場のプレイヤーはまだ存在しない。<>ヤフオク・メルカリそれぞれは1,000-2,000億円
- 日本の1次流通市場は11.7億円(ソースは?)
取り組み
- IPLedger
- IP Ledger上にデジタルデータを登録
#ゲーム業界で少し仕事したことがあり、ここら辺も検討・リサーチしたことがあるのですが、正直、原稿の巨大なゲーム企業(Sony, Microsoft, 最近参入したGoogle, 参入しようとしているAmazon)のビジネスモデルに反するイニシアティブなので既得利益を越えてスケールするのはかなり難しいと思います
NFTと分散金融
ToyCash - CEO Leona Hioki 氏
HPからのトーク概要↓
NFTを会員権などの新しいアセットクラスとして高い価値を出す設計にする方法、及びこれらを使った分散金融システムの作り方 - NFT(Non-fungible token)は現在のDAppsの主力アセット
NFTについて
- BCでは送信しないタイプのアセットが成功しやすい
- 金融 X IoTの実装がシンプルに可能
- NFT:一つ一つを区別できるコイン
- 学生証とか部屋の鍵 私のつぶやき:Identityに使える?
- NFTの所有権のある秘密鍵を難しい問題の答えから生成
- 超難問を最初に解いた人のみが集まるトークングループが生まれる
事例
- Maecenas:ピカソ
- 不動産 ○ LIFULL部屋の登記・移転 ○ Zefuku不動産購入 ○ ログインや権利証明:SESAME
- 成り立っているトークンの種類 ○ 価値の保存 - ビットコイン:貯蓄用通貨 ○ ガバナンストークン - ほとんど証券。持っているだけで効力 ○ 取引所内通貨 - Binance Coin。もともとVolatility好きな人が集まる
- NFT:オフチェーンでの利用が可能 ○ NFTのレンタルは今も行われている:マイクリ ○ 分散金融とも相性がいい? ○ Ryodan売り板うあオークションにだしたまま利用可能?
- SNSアカウントを担保にローン
- (Slack + Binance)/2=Ryodan(現在クローズド)
Networking
廊下に出てみたら、思ってた以上に知り合いの方がたくさんいたので、2時間くらいキャッチアップしてました。 、
- Blockchain特化型HRは結構厳しいいらしい。これ書いていいのか
- 細かいところは書けませんが、Consensysがいろいろとやばいらしい
- Celo というブロックチェーンベースの途上国支援のデジタルマネーソリューションを教えてもらいました! - a blockchain lightweight wallet solution for Africa(another version of Libra?)
- CryptoeconomicsLabに注目している人が多い
- Did not really understand why but there are efforts to build an alternative to GitLab
Al+ Stack & Emeth分散型個人情報ネットワークと分散コンピューティング
株式会社オルツ -CTO 西村 祥一 氏
HPからのトーク概要↓
オルツは、デジタルクローン(自身の意思をデジタル化しあらゆる作業の代行を目的としたA.I.)の実現を目指す企業です。 【al+ stack】 デジタルクローンの実現に不可欠な膨大な個人データを、暗号技術とブロックチェーン技術により機密性と改竄不可能性を保ちながら永続化するための仕組み。 【al+ emeth】 分散コンピューティング技術とニューラルネットワーク技術を組み合わせ、人工知能の学習に必要な大規模な演算処理能力を確保するプラットフォーム。
数年前から応援しているオルツさん。彼らの投資家向けの会議でも発表したことのあります。 どういう進捗状況なのか知りたく、楽しみにしていたセッション。
- 暗号化された分散ストレージに保存された個人データが改ざんされない証明にBlockchainを利用している
- 鍵を持っていれば無制限にデータへのアクセス可能
- 個人データを蓄積できるチャットアプリ:Stack
- 全世界の演算パワーを終結
- クラスター上の各ノードが暗号化されたままのデータを用いてDLを行う
ブロックチェーン、可能性は感じるけれども、ちょっと距離を置きたいなと思わなくもない今日この頃。 ここらへんもうちょっと議論したいです。誰か相手してください(笑)